脊髄損傷

spinal

脊髄損傷でお悩みの方へ

脊髄損傷とは

脊髄損傷とは交通事故やスポーツ、高所からの落下などが原因で脊髄に衝撃が加わり、脊髄に損傷が生じることを言います。

脊髄は、背骨を構成する脊椎の中にある長い神経の束であり、脳と接続しています。脳で出された指令を全身に伝えたり、逆に体の各部位からの感覚を脳に伝える機能があり、脊髄を損傷してしまうことでその機能が果たせなくなり「麻痺」という状態になります。

脳と同じ中枢神経なので、一度傷つくと二度と元には戻らないと言われてきましたが、再生医療の発達により、その説が覆される可能性が出てきました。

脊髄損傷の具体的な症状

脊髄損傷の主な症状は「麻痺」です。

脊髄損傷による麻痺にも損傷の程度により2種類あり、1つが「完全麻痺」、2つ目が「不全麻痺」です。
「完全麻痺」は、脳の伝達を体に伝える・体の感覚を脳に伝える、という脊髄が持つ機能が完全に失われた状態を指します。体を全く動かすことが出来ず、何も感覚を感じない、という状態になります。 一方で「不全麻痺」は脊髄が持つ機能が一部失われ、一部は残っている状態を指します。状態には差があり、体をある程度動かすことが出来る程度なものもあれば、感覚だけが残る重度なケースもあります。また、損傷から時間が経ち麻痺が慢性化してくると、本人の意思とは関係無く筋肉がこわばったりけいれんしたりすることがあります。

完全麻痺 不全麻痺
損傷の程度 脊髄の機能は完全に失われている 脊髄の機能は一部失われ、一部残っている
症状 体を全く動かすことが出来ず、
感覚も全く無い
程度による。軽度であればある程度体を動かすことが出来る。
重度であれば感覚のみ残っている場合も

幹細胞治療が、脊髄損傷に期待できる効果

脊髄損傷に期待できる効果

本治療は、培養により増やした患者様自身の幹細胞を局所投与することによって、神経組織を修復し、脊髄損傷の症状改善を図る治療法です。

脂肪由来幹細胞は、神経を含む多様な細胞に分化できる能力を持つことから、脊髄損傷により傷ついた神経の再生に働きます。また、脂肪由来幹細胞には炎症を抑える効果のある物質を分泌する性質があり、炎症を抑えることにより症状の悪化を防ぐ効果が期待できます。

起こりうる副作用

本治療を受けることによる危険としては、脂肪の採取や細胞の投与に伴い、合併症や副作用が発生する場合がありますが、臨床試験では後遺症が残る可能性のあるような重大な副作用、健康被害は報告されていません。

他の治療法との比較

治療法 利点 欠点
本治療法
(幹細胞治療)
  • 脳の血流が改善し、神経再生・保護等の機能の回復が期待できる
  • 炎症がある部分を鎮静化し、不調や痛みの原因を緩和する
  • 費用が高い
  • 脂肪の採取や細胞の投与に伴い、合併症や副作用が発生する可能性が否定できない
保存療法
(薬物療法、手術療法など)
  • 体への負担が少ない
  • 費用があまりかからない
  • 根本的な治療効果はなく、症状を緩和させる効果しか期待できない

ご相談から治療までの流れはこちらから