慢性疼痛

chronic pain

慢性疼痛でお悩みの方へ

慢性疼痛とは

慢性疼痛(慢性痛)は「治療を要すると期待される時間の枠組みを超えて持続する痛み、あるいは進行性の非がん性疾患に関する痛み」と定義されています。
つまり、病気の治療に必要とされる期間を超えても、痛みだけが残ることを指します。通常であれば痛みは体の異変を伝えるサインであり、病気の回復と共に痛みも鎮まっていきますが、病気が治った後も痛みだけが残るのが慢性疼痛です。

痛みの原因であるはずの病気が治っていると考えられる時期でも痛みが無くならず、痛みの程度と病気の状態が一致しないことが多く見られます。
慢性疼痛では原因となる病気よりも痛みそのものが問題となります。痛みを慢性的に抱えることによる不安や抑うつ、不眠など精神・心理的な面に悪影響を及ぼします。

慢性疼痛には痛みの起こる原因によっていくつかの場合に分けられます。

神経障害性疼痛 中枢性疼痛 心因性疼痛
原因 脊髄損傷や脳血管障害などにより神経が傷つく、神経障害、がん細胞の神経への浸潤 脳や脊髄の病気や損傷 病気や痛みに対する不安や恐怖、日常生活でのストレスが原因
痛みのメカニズム 怪我や病気で神経が刺激され、異常に興奮して起こる 脳と脊髄にある中枢神経が傷ついて起こる痛み ストレスや不安などの精神的、心理的な問題で生じる痛み

慢性疼痛の具体的な症状

通常、以下のいずれかに当てはまる痛みは慢性疼痛とみなされます。

慢性疼痛では痛みそのものが問題となります。
痛みによる継続的な疲労から

などが起こります。
また、痛みが長期にわたって続くと精神的にも支障をきたし、

などの症状も表れます。 これらによって社会活動が困難になる場合もあります。

幹細胞治療が、慢性疼痛に期待できる効果

脂肪由来幹細胞は体の脂肪組織に含まれる細胞で脂肪細胞や軟骨細胞、骨細胞になることができる細胞です。このような色々な種類の細胞になることができる細胞は、木に例えると複数の枝を支える幹に相当することから幹細胞と呼ばれています。体の中には色々な種類の幹細胞が存在しており、ケガや病気により傷ついた組織の修復を行っているだけではなく、常に新しい細胞を作り出すことで体全体の新陳代謝を支えています。また、全く別の働きとして幹細胞には免疫を強力に抑え込む力があることも分かっており、痛みの原因となりうる炎症を抑える効果のある物質を分泌する性質があります。

慢性疼痛に期待できる効果

体内に投与した幹細胞は、体内の傷ついた場所に集まり、炎症を抑え傷ついた組織を修復する性質があります。そのため、痛みの原因となる慢性炎症を抑え、末梢神経の傷害部位を修復することにより、浸潤受容性疼痛や神経障害性疼痛を緩和させる効果が期待できます。また、このような幹細胞の特性により、原因が分からない非器質的疼痛の一部についても痛みを軽減する可能性もあります。

起こりうる副作用

臨床試験では感染、頭痛、注射部位の痛みなどの副作用、健康被害が報告されていますが、いずれも軽微で自然に治癒しています。特別な処置が必要となる、あるいは後遺症が残るといったような重篤な副作用、健康被害は報告されていません。

他の治療法との比較

慢性疼痛の治療法は対症療法が主であり、手術療法などの根治療法がないのが現状です。保存療法としましては(内服薬、貼り薬、神経ブロック、髄腔内持続注入など)、理学療法(温熱療法、牽引療法、マッサージ、はり治療)、物理療法(レーザー治療、直線偏光近赤外線治療など)、カウンセリングなどの心理療法が中心となっているだけで、現状の治療法では十分な疼痛緩和が行えているとは言えません。

このように現行の治療は、疼痛症状の調節と治療による副作用を最小化するための治療法があるだけで、完治できずに多くの人々が苦しんでおります。本治療では、患者本人の脂肪由来幹細胞を投与するため、副作用の心配がなく、末梢神経の炎症部位や過敏になっている末梢神経障害の部位に直接作用することから、根治療法となる可能性があります。

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